SOHO達人講座
明日から君も、SOHOだ!!
〜裏道、抜け道、総チェック!もう迷わない〜
「SOHO」とは、スモールオフィス、ホームオフィス、また最近では電話一本で仕事をする主婦などのテレワーカーも含む総称。古くからある作家、翻訳家、デザイナーから、先進のマルチメディア事業まで、業種は多種多様に渡る。
アメリカでは、既に労働者の3人に1人がSOHO。日本でも、インターネットの普及や不景気を追い風に、今、急激に増えている。
その人気の理由は、得意な分野さえあれば、主婦や高齢者、サラリーマン、誰もが同じ土俵で戦える。わずらわしい組織から抜け出し、好きな仕事を、好きな時間にできるという独自なワークスタイル。SOHOは、これからのステイタスな生き方ともいえる。
そこで、SOHOを始めたい人、もう始めているけれど疑問や不安を抱えているSOHO初心者諸氏の悩みを一挙に解決!SOHO成功への道を、裏技から抜け道まで、細かく伝授しよう。
―まずは始めにSOHOはプロフェッショナルであれ
職場が会社から自宅に代わろうと、社会人としてひと通りの仕事はできることが基本。スキルを身につけた上で、始めなければ、失敗の素だ。
自分ができなければ誰かがやってくれる。上司が仕事をチェックしてくれる。そんなサラリーマン時代とは違うのだ。自分一人、困難に立ち向かい、答えを出す分、サラリーマンより、仕事的にも精神的にも何倍も過酷だと、肝に命じよう。まずは、プロとして、人間としての自立が求められる。
在宅オフィスのメリット&デメリット
自宅を仕事場にする場合のメリットとは、まず、低リスク、低コストで仕事ができる。通
勤時間がない。早朝や深夜など、自分のやりやすい時間帯で仕事ができる。好きな時間に食事ができ、お茶が飲める。服装にこだわらず、リラックスして仕事ができる。特に女性にとっては毎日服装を変え、おしゃれに気を使わないですむ。疲れたら、横になったり、仮眠ができる。一人暮らしの場合は特に、雑音もない。当然、社内の人間関係に、悩まされることもない。
また逆に、公私の区別がつきにくいため、時間管理に甘くなりがち。時間管理は自分なりの方法で厳しくすること。さらに、情報が不足しがちなので、積極的に情報を得ることを怠ってはいけない。新聞、雑誌、テレビはもとより、人から得る情報は何物にも代えがたい。在宅ワークといえど、フットワークを良くして、常に人と交流する姿勢は心がけたい。同業者のネットワークも多くしておくと、窮地に陥った時の助っ人になる。陥りがちな孤独や不安とも戦える。
SOHOに有利な物件とは
SOHOのオフィスにはまず、経費もなく、人もいないことが大前提。あらかじめ、必要な物は極力、近場に納めたい。それにはまず、コンビニは必需品だ。コピー、宅急便、文房具、雑誌といったビジネス備品から、なくてはならない食料、トイレットロールや洗剤といった生活必需品が24時間手に入る。切手もコンビニで買えるが、朝一で送りたい速達や振込を考えると郵便局も近くに置きたい。できれば24時間窓口の開いている、地区ごとの中央郵便局が近くにあるとと便利だ。
職種によっては、DPEや画材屋、コンピューター関連のショップ、大判コピーやカラーコピーショップも必要となる。最近ではビジネスコンビニも各所にできているのでマークしたい。
ライターの類では資料集めも仕事のひとつ。できれば徒歩かチャリンコ圏内に手頃な図書館を確保したい。
またバイク便をよく使うなら、取引先から基本料金圏内に、オフィスを借りた方が双方ともにメリット大だ。ちなみに県外だと1万円はかかる。
特に在宅オフィスでは、状況的に打ち合わせで人を呼べないケースも多い。ゆったりと打ち合わせのできる喫茶店やファミレスも抑えたいアイテムだ。気分転換のできるオアシスに、また構想を練る第2の仕事場としても使える。
事務所を借りるのに、いったいいくらかかる?
仕事が順調に進んでいくと、在宅オフィスから、そろそろ事務所を別
に構えたいという願望が沸いてくる。その理由の多くは、資料が増えすぎて、自宅では整理しきれない。オンとオフのメリハリがつかないため、自宅をもとの休養の場に戻したいなどだ。多少の通
勤時間の間に、情報収集や気分転換ができ、仕事だけに集中できるのも、事務所を持つメリット。ましてや家族同居で、女房、子供と一緒の場合には、落ち着いた独房が欲しくなるのも、余裕が出てこれば当然だ。
最近は都心の物件も、軒並み値が下がっている。さらに値切れば、まけてくれるケースも多い。今は事務所を構えるのも好機といえる。その一例として、新宿エリアで、今年オフィスを構えた編集社の場合を紹介しよう。
▼場所:地下鉄丸の内線「新宿御苑」から徒歩1分
大通りに面したビルの4階角部屋。2方向全面が窓。オートロックの比較的新しいマンション。間取りは19・45(約6坪)と若干狭いが、そこに最大3人のメンバーが常駐する。
家賃は月8万円に消費税4千円。家賃は始め8万5千円だったが、値切って8万円にまけてもらった。ダメ元で、値切らない手はない。
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敷金
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80,000円
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礼金
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160,000円
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消費税
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8,000円
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賃料(13日分)
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34,660円
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小計
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282,660円
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翌月賃料
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80,000円
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消費税
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4,000円
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小計
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84,660円
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保険料
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10,000円
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手数料
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84,000円
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小計
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94,000円
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その他、開業と同時に決めたため、備品もその時購入。
●中古の事務机3台(18,000円)
●中古打ち合わせテーブル1台(10,000円)
●中古椅子(事務机用)3脚(5,000円)
●中古椅子(来客用)4脚(2,000円)
●ファックス付電話(30,000円)
●中古ワープロ(12,000円)
●パソコン(20,0000円)
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▼裏 技
中古の事務用品で、机など備品を揃える。値段が安いからといって県外などで買うと送料が1万、2万とかかり、送料の方が高くなってしまう場合もある。できれば、近くで中古品を扱う店を探したい。また、輸入の組み立て家具も、意外に安く買える。丈夫なのでパソコンなど重い物に耐えうる上、機器の拡張に合わせて、同じカラーで増やしていけるため、こだわり派にはおすすめだ。
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コピーは買うのと借りるの、どっちが得?
コンビニまで走ればすむと言っていたコピーも、あまりに膨大で、頻度も多いと大変。しかも疲れきった夜中の3時や雨の日に、重い資料をコンビニまで運ぶ体力も気力もない。昼間に行ったところで、必ずしもコピー機が空いているとは限らない。中には大量
コピーで10分待たされるケースもあり、急ぎの時は、かなりの痛手となる。
そこで、コピー機を置きたいが、買うか借りるか、そこが迷い所。中古品であれば、かなり安く手に入るが、壊れやすく、メンテナンスが面
倒。新品も拡大・縮小、紙サイズなど機能が豊富だと高いうえ、メンテナンスは自分でしなければならない。もし壊れたり、不都合が生じた時、メカに弱いと泣くハメになる。
そこで、リースを選択する場合。通常のモノクロで、リース料は平均、月7千円。これには850枚のカウンターが含まれているので、一枚当たりの料金は用紙代別
で8円弱となる。コンビニでは一枚10円なので、料金的には、月当たり700枚を越えたら、リースの方が得となる。
その際、コピー機を置けるスペースがあるか検討することも忘れてはならない。コピー機は場所を取る上、予備の紙の置き場所も必要となる。
あまりに留守が多ければ、電話秘書が頼もしい助っ人
今や携帯電話はビジネス戦略の必需品。大手広告代理店では、携帯電話、PHS、ポケベル、ホームメールにと、ハイテク武装で固め、いつ何時、どこからも連絡を受けられるようビジネスチャンスの網を張っている。しかし、経費を極力抑えなければならないSOHOにとって、それほどの出費は許されない。
携帯電話もエリアが拡大し、機能が充実したといっても、地下鉄移動やビルの狭間、車移動の最中など、キャッチできないことも多い。それに急ぎで頼みたい時に留守電で、直接話ができなければ、ビジネスチャンスが逃げていくケースもある。
そこで、電話秘書が頼もしいパートナーとなる。経費は月々基本料1万5千円が相場だ。通
常は自分の電話を秘書センターに転送し、伝言はこちらから電話を入れたり、携帯電話に連絡してもらう。 電話秘書を頼む場合、電話帳でいくつかの会社に電話をしてサービスの内容を尋ね、電話の応対ぶりを直接確かめるのも手だ。実際利用している人に、使い勝手を聞き、紹介してもらうのも手堅い。 電話秘書を利用する際、必ず用意すべきなのが、自分のオフィスに関する基本情報のファイル。業務内容、オフィスへの道のり、銀行の振込口座、よくかかってくる相手先の名前などをまとめたものを、あらかあじめ渡しておく。
その日の予定も相手にわかればなお、安心だ。一日のスケジュールのおおよそを伝え、何時には確実に相手と連絡が取れるかをこまめに伝える。そんな積極策を心がけたい。
主婦でSOHOを始める人の心得
主婦からSOHOを始める人で気をつけなければならないのが、ビジネス意識だ。仕事を受けたら、「私は主婦だから」などと、家庭には逃げ込めない。仕事では、どんな境遇にあろうと、質の低下や納期の延長は許されないのだ。そんなことが起こらぬ
よう、SOHOを始めるなら、これまで忘れていた確固とした社会観を自らに植えつける必要がある。
しかし、子供が急病になった時など、やむない場合が、ないとはいえない。そんな突発的な場合の対応策として、同業者仲間で助け合える体制を講じておくことも大事だ。
また、適応力を強化するためには、あらかじめ、テストラン期間を設けるのもよい。始めは欲張らず、ひとつずつ確実に仕事をこなしていくち、仕事に要する時間や、家事との兼ね合い方など、無理なく仕事をこなせる勘どころが掴める。 さらに、大きくチャンスを掴みたいなら、思い切って、家を飛び出すことだ。事務所を借りるのが無理なら、知り合いの事務所に間借りさせてもらうのも手。人脈や仕事の幅がめざましく広がり、収入もアップする。家にいるから家事も気になり、家族からもあてにされるのだ。自分がいなければ、誰かがやってくれる。
SOHOにとって、有利な保証対策とは?
サラリーマンの多くは、国民年金+厚生年金の2本柱で年金に加入している。しかし、自営業の場合には、国民年金だけなので、もうひとつの柱は自分で講じる必要がある。それが、国民年金基金だ。掛け金は年齢や何口加入するかによって違ってくる。上限は月額6万8千円。払い込んだ金額は、全額社会保険料控除が認められている。
また、もし、事業を辞めた場合、退職金にまとまった金額を受け取れる制度を利用するには、小規模事業共済に入るとよい。積み立て金は、月額七万円まで。払い込み金は、全額所得控除の対象となり、金額に応じて所得税、住民税が戻ってくる。積み立てた金額によって貸し付けが利用できる点も、SOHOにとって心強い。
税務処理。申告はどうすれば有利か
◆内職的ワーカーの場合
本業は主婦で、夫の健康保険や社会保険を使うため、扶養家族でいたい内職ワーカーの場合。それには、年間所得が130万円未満か、夫の収入の半分未満などの条件を満たしていなければならない。その際、所得税の支払いは、自分で白色申告をする。
◆フリーワーカーの場合
自分一人で人は雇わず、個人事業主にしないフリーワーカーの場合。税金は帳簿をつけなくてよい白色申告。帳簿をつけなくてよいぶん簡単だが、経営分析がしにくいので、控除されるものが少ないとうデメリットもある。
◆個人事業主
個人が相手の商売なら会社組織にする必要はなく、開業届けを出して、人を雇っているケースが多い。税金は白色申告でもいいが、青色申告の方がメリットが多い。
まず、事業に従事する家族の給料を経費にできる。赤字が出たら、以降3年間の繰り越しができる。35万円の青色申告控除が受けられるなどだ。その際、決められた形式の帳簿付けが必要となる。
◆有限や株式など法人化する場合
法人化すると、公私が経理でもはっきり区分される。年商3千万円を越えると税制上有利というのがひとつの目安だ。 法人のメリットは、何といっても社会的信用が大ということだ。個人では取引できない金額の大きな仕事ができ、融資も受けやすい。
SOHOの場合、経費はどこまで認められるか
経費とは所得のうち、税金のかからない金額のことだ。収入を得るために要したすべてが、必要経費として申告できる。 例えば、データ入力を仕事とするSOHOの場合
1.仕事に必要なパソコン、ソフト、周辺機器、用紙の費用など
2.営業に必要な車、ガソリン代、広告費など
3.納品に必要なパソコン通信、フロッピー、宅配便代、交通費など
4.スキルアップ、情報収集のための書籍、講習会費用など
5.電気代、冷暖房費など
住居兼用のオフィスの場合、家賃や光熱費、電話代など、仕事にかかった割合で換算する。例えば家賃の場合、仕事場に使っているスペースが半分で、家賃が10万円なら、経費は5万円。それぞれ、自己申告なので、税務署で証明できればOKだ。
経費を認めてもらうには、確定申告の際、支出を証明する領収書が必要となる。
SOHO達人の6つの鉄則
●取引先と喧嘩はするな
仕事先に不満があっても、喧嘩ごしに感情を露呈するのは禁物。喧嘩は損はしても、得にはならない。不満や行き違いは冷静に伝えるべし。
●同業者を敵と思うな
同業者は、ついライバルと思いがち。しかし、同業者のネットワークは、いざという時、強い武器となる。仕事を抱えきれない時の助っ人に。また大きなプロジェクトの際には、強力なブレーンとなる。仕事上のトラブルを抱えた時、相談できるのも同業者ならでは。
●ひとつの取引先だけに加担するな
SOHOならば、相手先は最低でも三つ以上は持ちたい。三つの売り上げのバランスはできれば、三分割が望ましい。一社に加担しすぎると、そことの取引をなくした時に、食べていけなくなる。また依存しすぎでは、支配関係が生まれ、対等でいられない。リスクも一緒に背負わされ、会社勤めと変わらなくなる。
●あまりに無理なスケジュールは禁物
仕事を欲張る余り、無理な納期で請け負うのは危険。できれば、納期は少し余裕を持って受けたい。スケジュールがタイトすぎて質を落としたり、納期に遅れて信用を失うよりは、余裕を持って、完璧な物を提出した方があとあと有利だ。余裕があれば、その間に別
な仕事が入っても対応できる。技量的に始めから無理だと感じたら、いくら仕事が欲しくても断った方が無難だ。経費が思わぬ
ほどかかったり、悩む時間の方が多くて他の仕事に手が回らなくなり、自分の首を締めることになる。
●自己投資や先行投資はケチルな
まだ仕事も受けないうちに、体裁にこだわり、必要のない物まで揃えることはない。しかし、売り上げに直結する資料、パソコン等、仕事をスムーズに運ぶ機器の類は、先行投資でも揃えておくと、結局得だ。スキルアップや営業にかかる経費など、戦略的投資にも積極的に金を使え。売り上げは、必ずついてくる。
●人脈は貪欲に作れ
SOHOを始めてから営業に回る。そんな気の長いことをしていては始まらない。独立組なら、会社を辞める前にまず、仕事の一つや二つは取ってから辞めろ。前の会社で掴んだ人脈、果
ては近所の八百屋まで、知り合いという知り合いを片っ端から仕事に結びつけろ。異業種交流会や各種の人的ネットワークに積極的に参加したり、ホームページで売り込むのも手だ。仕事は天から降って来ない。君の存在を社会にアピールしなければ、仕事はやって来ない。
―そして最後は、「案ずるより生むが易し」
どんなことにも、不安は付き物。SOHOだって、案ずるより生むが易しだ。仕事の技量
も幅も、そして自信も、仕事によって、ついて来る。恐れないでまずは、ぶつかっていくことだ。体力と気力さえあれば、君も必ず、SOHOの達人になれる。
成功とは、何度か仕事で恥もかき、失敗しながら、手に入るものだ。始めから大儲けしようなどと気張らず、ひとつずつ着実に経験を積んでいこう。