新しく商売を始めようとするなら、成功の可能性が高いやり方、業態を求めて動き出すのは当然のこと。多様化する消費者の小さなニーズまで特化できる専門店は、個性を打ち出せるだけでなく中身の濃い経営が可能だ。ここではさまざまな戦略をもった「超」専門店を紹介。さあ自分流の「超」専門店を開業しよう。
産業廃棄物が商品に
そ屋
●4、5年かけておからケーキ商品化を実現
『おから』のケーキを販売している「そ屋」(東京・港区/電話03・3443・3908)。「自分にしかできないものをやりたくて、偶然おからが廃棄されていると聞いたのがおからケーキづくりのきっかけ」になり、若菜セイ子さんが始めた店だ。
ケーキづくりの知識はあったが、おからの粉づくりには苦心。おからの粉は、偶然見つけたおからでクッキーを作っている福島県の豆腐メーカーに頼んだ。しかし、送られてくるおからの乾燥粉は天気によっても変化するため品質にばらつきが多く、うまくケーキができなかった。何度も失敗を繰り返し、商品づくりに4〜5年の歳月をかけたそうだ。
そしてついにおからケーキの製法特許を取得。しかし最大のネックは、おからを乾燥させケーキづくりに適合した大きさの粒子の粉末を作る手間と、大量
生産ができず普通の小麦粉の2・5〜4倍のコストがかかること。したがって、パウンドケーキが1本1100〜1200円など価格も高めになる。
現在、1日に70〜80本のパウンドケーキを焼き、月に200〜300万円を売り上げている。おからの味を壊さないように一切のフレーバーを使わず、しかも豆腐くささを消して、人参やかぼちゃなど素材の味を活かしているのが好評の理由。
一方、糖分を使わないヘルシーなケーキとして自然食品の店でも置いてくれるようになり、現在3店に卸している。その他、老人施設やホテルなどからの注文も増えている。
「原価率がよく、ほとんどが予約のためムダが少ないのがこの商売のいいところ」と若菜さん。粗利がよく売れ残りがないということは、ミニショップには大きなメリット。「店の立地の悪さが店売りの比率を小さくして逆にプラスになっていますし、生菓子を扱わず焼き菓子だけにしたのもよかった」と、他のケーキ店の弱みが同店では強みなのだ。
★超専門店成功のためのワンポイントアドバイス
店舗面積7坪で月に200〜300万円を売り上げる。商品化の発想と商品開発の努力が他店の追随を許さない秘密。また、コストはかかるが原価率がいいのが同店の特徴だ。