中高年のための新自営業講座
40歳から始められる独立起業でもうひと花咲かせましょ
40代になっていよいよ仕事にも脂が乗っていく時期、ふと考えると人生のターニングポイントに差しかかっている。今の仕事は本当に自分のやりたいことなのか、定年までの自分の毎日が見えてしまう時期。不惑といえども、己の人生ならば迷うのも当然。60の手習いから見れば、40代なら余裕の選択。そう思いたい。そこで40歳から始められる、独立お役立ち情報を紹介したい。
そばは世界に誇れる食文化
創源流 手打そば・うどん教室
今、なぜこんなに手打ちそばが流行るのか。食生活が見直され、自然派指向が強まっているのも一つの要因である。これは需要側からの見方であるが、供給側に立てば、そばの奥の深さに起因すると思われる。つまり、簡単には心から満足のいくものができないということだ。
そのため、短期間でそばの基本から応用までを、体系的に習得させるような教室が開講されている。ここでは、群馬県前橋市の『創源流 手打そば・うどん教室』を紹介しよう。
● 研修が教室の前身
「そば屋さんにはよく行くのですが、素晴しい店舗を持ちながらプロとしての基本ができていない方が、かつてはかなりいました。」
と創源流の家元で、教室を主宰している吉野邦彦さんは語る。入った店で気になる点があると、控え目ではあるが的確な苦言を呈する。最初はいぶかる店主も、吉野さんの真摯な態度を感じ取ると、胸の内を話し始める。
結局、自分が経営する『そばよし本店』で短期間ではあるが、時間の許す限り基本を教えた。
これが、教室の始まりである。
それから約7年間に、短期研修も含めると400人以上の受講生を輩出している。98年6月の教室が第44期となる。
● 卒業後もバックアップ
これまでの最高齢受講者は68歳の男性で、余生を楽しむためにそば屋を始めたいという理由でこの教室を訪れた。最も多いのは30〜40代の男性。やはり目標も、開業がほとんどである。割合は少ないが女性の卒業生で、自分のそば屋を既に開業している例もある。
ここで、この教室の特徴ともいえる現場実習についてふれておこう。
教室では、どうしても時間に追われるという体験ができない。
「教室を修了するときには、そばの味や腰はプロの域に達しています。ただ、後はスピード。これは、実際に厨房に立って、状況で急がなければならなくなったとき、始めて身に付くのですよ。」
このように話す吉野さんは、現場実習を重視する。いわば、独立前の実践的訓練。このため、一国一城の主として成功している卒業生の元に、新たな卒業生を送っている。43期生で鹿児島出身のある生徒は、地元での開業前に長崎県で開業している先輩の元で、さらに勉強することが決まっていた。
また、独立後にそばの技術的な壁に突きあたっても、吉野さんは相談にのってくれる。時には、現地に赴いて、指導することもあるとか。卒業後も師弟関係が保たれることは、心強いばかりである。
● 開店までのノウハウが あるから安心
開店資金の運転資金に対する比を見ると、他の業種に比較してそば屋は大きい。つまり、開店さえすれば、後はなんとかなる。
そのため、開店に際して希望が
あれば、吉野さんが代表取締役である(有)吉野工房で、開店予定地のマーケティングから店舗設計、チラシのデザインまで引き受ける。企画・設計を手がけた店舗は、150店舗以上になるという。
しかし、と吉野さんはことばを続けた。
「地域に密着したお店であってもらいたい。だから、創源流ということは、一切表に出しません。唯一、(創源流の印としての)石臼をデザインした模様をチラシに入れるくらいかな。」
そして、吉野さんのポリシーを窺わせる次の一言が印象に残った。
「私は黒衣に徹すればいいんです。」
● 指導内容
◆手打ちそば・うどん作りの基本 ◆粉の見分け方・選び方 ◆鰹節の見分け方とだしの取り方 ◆かえしの作り方 ◆めんつゆの作り方と保管方法 ◆十割蕎麦の作り方・販売の仕方 ◆天ぷらの揚げ方 ◆石臼自家製粉の取り組み方 ◆オリジナルメニューの作り方 ◆食材の保管と仕入れ方 ◆PRの進め方、口コミ宣伝とは など