成功者のノウハウに学べ!
HOW TO インターネット通販
インターネットを通じて、Tシャツを中心とした衣料品の通信販売を行っている有限会社イージーは、数あるインターネット通
販の会社の中でも成功を収めている有数の会社だ。年間売上は、96年が1000万円、97年が3000万円、そして今年は1億円が目標という。同社代表取締役の岸本栄司氏は、インターネット通
販の先駆者として、また成功者として独自の経営理念を持っている。同社の運営事例を紹介することで、インターネット通
販のABCを考察したいと思う。
●一対一のダイレクトマーケティングがインターネットの特性
インターネットやコンピュータという言葉を聞くだけで、拒絶反応を示す人もいることだろう。しかし、インターネット通
販を始めるにあたって特殊な技術は何ら必要ない。要はやる気があるかどうかだ。
インターネット通販を始めるには、自社の開設するホームページが不可欠だが、「ページ作りは、一つの画像と1行のテキストをインターネット上で送信することができれば誰でもできる。難しいと思う人だけができないのです」と岸本氏も言う。
ただし、インターネットの特性は知っておくべきだろう。インターネットは、もともと狩猟民族であるアメリカ人の国民性からの発想されたもので、YouとMeの関係の構築が重要だ。我々日本人のような農耕民族のWeの発想、つまり一対多の思考は最悪の結果
になりかねない。一対一の対応を心掛けることこそが、インターネットビジネス成功へのカギといっても過言ではないのだ。
この基本的な考え方を踏まえて、イージーの具体的な運営手法を見ていこう。
同社の特徴は、ボリュームゾーンといわれる、Tシャツでいえば1000円から4000円くらいの商品をできるだけ安く販売していることだ。価格は、東京の繁華街にあるショップと比較すると半分以下。ただしこの価格設定でも、ある程度の利益率は確保されている。利益を上げる上で重要なことは、売上高ではなく高い利益率であることはいうまでもない。
仕入は商社を通じて大量に行われ、それが低価格を実現している。
商品の種類を絞り込んでいることも特徴の一つだ。インターネット通
販において、品揃えは意味を持たない。売りたい商品や名物を持っているかが重要なのだ。同社の場合は、無地のTシャツがそれにあたる。
以前はジーンズも扱っていたが、現在は販売していない。インターネット通
販を始めた4年前から比べると、50%の円安になっている現在、アメリカからの輸入ジーンズを販売してきた同社にとってはほとんど利益にならない。売上よりも利益率を優先しているので、利益にならないことはやらない。
在庫は極力抱えない。同社のホームページには在庫状況が時々刻々と表示されている。客への情報サービスに見えるが、在庫のないものを客に注文されないように努力しているのだ。
●客にストレスと損を感じさせないこと
客にストレスを感じさせないこと。同社のこの姿勢はあらゆるところに反映されている。例えば、支払い方法。郵便振り込み、コンビニでの振り込み、カードでの支払いなど、考えられる決済の方法はすべて用意している。
会員制やクローズドな電子決済などは「通貨の概念がわかっていない」と岸本氏はバッサリ切り捨てる。誰でもが使えなければ通
貨とは言えないからだ。
通販の宿命として客からの未入金の問題がある。これを防ぐため、クレジットカード決済だけを採用している会社があるが、これに関しても岸本氏は批判的だ。
「昨年3700件ほどの注文の中で、未入金は2件だけです。お客さんを信用しなければ売れません」(岸本氏)
ちなみに同社では、2週間以内が約90%、ひと月以内なら約97%が回収されている。カード決済より早いわけだ。
客にストレスを感じさせないことと同時に、客に損を感じさせないことにも注意を払わなければならない。客が損をしたと感じることは、口コミを大きな販売促進手段としているインターネット通
販では大きなリスクとなってしまう。クレームがついた時、商品の返品に応じているが、その際に着払いは当然と考えている。
クレームをつけた客はうまく対応することにより、リピーターとなりうるのだ。やや逆説的ではあるが、クレームがついた時は販促の最大のチャンスといってもいい。実際クレームをつけた客から礼状が届いたこともあるという。同社では、今の500円より来月の5000円、来年の5万円を目指している。
岸本氏によると、インターネット通販に向いている業種は、まず、取り扱う商品の販売単価が高いこと、販売頻度が低いことが条件で、特にメーカーが発行する紙媒体のカタログに掲載されている製品を扱うことは有望だという。
これからインターネット通販を始めようとしている人に対してのアドバイスを求めたところ、岸本氏は次のように答えてくれた。
「一つの業種に二つの店があれば十分なんです。つまり、上物屋と安物屋。だから2番手と3番手の差は非常に大きい。もし、自分が3番手以降なら3倍の努力が必要でしょう。大きなカサの中にいたい人や、群れの中で安心する人にSOHOはムリ。一人で立ち上げる勇気がある人はやってみることです」
日本のインターネット人口は全人口の5%ともいわれている。5%に過ぎない市場と見るか、95%もの潜在的な市場があると見るか。おそらく後者の見方をする人には成功の可能性があるだろう。
有限会社イージー
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