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私のわがままビジネス

起業の第一歩は自分の「好きな仕事」を始めることである。嫌いな仕事は長続きしようもないし、身を入れて励むこともないだろう。自分が本当にやりたい仕事をするのが何と言っても起業成功のための第一条件となる。他人が何を言おうと、自分の好きな仕事なら継続できる。明確な意思をもってわがままを貫き通 せば成し遂げられることは多いのだ。

 

好きな骨董の仕事で身を立てた幸せを実感
 ―
ちりめん遊 ギャラリー美 代表/榊原美穂乃さん

5年間の苦闘が磨いた創作の感性

 榊原さんは、22歳の頃から昼はOLとして働き、夜は骨董屋の露店を手伝って勉強する生活を7、8年続た。そして28歳のときに骨董店「面 白屋」を埼玉県・川越市に開業。骨董のキャリアはもう15年にもなる。

 その当時の開業資金は貯金をはたいた100万円。オープン後2カ月目からは客足も跡絶え、家賃を払うのも大変などん底状態を経験した。生活費を稼ぎ出すために毎週土、日に開かれる露天の骨董市に出店する生活。5年間ほどは苦闘続きの経営状態だったという。

「貧乏でしたけどギブアップしようとは思いませんでした。骨董を一生の仕事と考えていましたから」

 試行錯誤の末、取り扱う骨董品を時代布や着物、ガラスに絞り込んだことが功を奏し、次第に好事家が店を訪れてくるようになり、経営が軌道に乗り始めた。

 3年ほど前、それまで営業していた「面白屋」のほうを倉庫にし、川越市近くのマンションに2部屋を借りて、骨董店「ちりめん遊 ギャラリー美」と創作人形やちりめん細工の教室「アトリエ藍」を運営し始めた。

 「ギャラリー美」は従来通り、時代布や着物、ガラスを取り扱い、隣の部屋の「アトリエ藍」では、ちりめん細工、着付け、人形の着物、創作人形などを教える教室を開講。

 「月曜日から土曜日まで日変わりで講座を開いています。ちりめん細工と創作人形の講座は人気が高く、新潟や群馬から通 ってくる熱心な生徒さんもいらっしゃいます」

 昨年、池袋東口にクラシック雑貨の店をオープンし、念願の都心部への進出を果 たした。

 榊原さんは明治・大正時代や江戸時代の布地に魅かれている。それで始めたのが、こうした布を生かしたパッチワークや創作人形づくりである。

「質のいい昔の生地で人形をつくるとまったく違う味わいの作品ができます。何年か先にはつくった作品を発表していきたいですね。そして、一人でも多くの人たちに見てもらいたいんです」

 榊原さんは、本業の骨董の仕事にアートすることを加えたいという。骨董の仕事は自らの感性が大きく左右し、こだわりが必要な仕事である。つまり骨董そのものを総合アートとして考えているのである。

 このところ生活にも余裕が出てきて、生活のためだけではなく、ようやく自分も楽しみながら仕事ができるようになってきたところだ。












 

※ご利用に際して

当情報は 2000年の春〜秋に発行された雑誌「DOPPO」の各記事を元に編集されております。
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