超高齢型社会を目前にして
シルバービジネス前哨戦は始まった。
巨大なシルバー市場を制するのは誰だ!
21世紀の日本が超高齢型社会になることは間違いのない事実だ。そして、その時には、日本のシルバー市場は世界でも最大規模の一つになるだろう。21世紀まであと3年と迫ったが、すでに各社は様々な準備を始めている。来世紀、大きな飛躍を目指すシルバービジネス関連企業を紹介しよう。
一人暮らしの老人に朗報
あらゆる家事、雑用の代行サービス
株式会社ベンリーコーポレーション
家事代行サービスのベンリーコーポレーションは、チラシを唯一の宣伝力とする独特のフランチャイズ事業を展開している。同社の手がける家事代行は、エアコンの掃除に取り付け取り外し、水洗トイレのつまりとタンクの修繕、不要品の処分、庭の手入れ、害虫駆除など家の保全に関するあらゆる作業をカバーする。核家族化が進んだ上に高齢化時代が訪れ、一人暮らしのお年寄りも多い。お年寄りが家の手入れで人手を借りたい時など、同社はきめ細かいサービスで対応する。
脱サラした前田社長が「何でもやってユーザーの役に立つ」との思いを込めて同社は1989年スタートした。事業は半年ほどで軌道に乗ったが、そのポイントとなったのはチラシだ。仕事のない日は1日に2000枚、ある日でも500枚から1000枚はまき続けた。チラシの製作費は1枚1円。1回まいただけでは反響はないが、繰り返しまくことで信用ができ、徐々に問い合わせが入るようになった。開業後1年ほどは社長自身がまき続けたという。
同社は、チラシ以外の方法で利用者にアプローチすることはない。営業担当者もいない。チラシはあまり広い範囲を対象としてまくのではなく、3万世帯くらいを目安とする。1日に1000枚まくとして1カ月で回ることができ、経費は3万円。忙しい時はチラシの宅配業者や主婦のパートにお願いすることもある。
チラシでアピールする上で最も重要なのは、繰り返しまくことだという。ピザ屋のチラシと同じで、何度も目にするうちに店舗の存在感ないしは信頼感が生まれてくる。現在、名古屋の本店では1日に15件ほどの問い合わせがある。
同社は現在、関東と東海を中心に55店舗を展開、本拠地の名古屋には6店舗がある。開業後3年ほど経過した店舗では500人ほどの固定客がある。営業がいなくてもこれだけの顧客を集められるのは、逆に営業での失敗が存在しないためという見方もできる。サービス業は営業で失敗することも多いのだ。
フランチャイズに加盟する人には社長と同じように脱サラ組が多い。ホテルに20年間勤務した人、証券会社や大手コンピューター会社から転職した人など様々だが、共通
した思いは「前の仕事が味気なかった」「今は直に客とふれあえ、喜ぶ顔が見られるので生きがいがある」などだ。お年寄りなど困っている人の手伝いをする仕事なので、無理な営業をするという発想がない。
同社のチラシは本部で一括して制作している。チェーン店としての統一感をもたせるためと、個々に制作していては1枚につき1円50銭から2円の制作費がかかってしまうからだ。事業の命となるチラシを自分で配らず、宅配業者にまかせ切りにしたり、資金力をかけて新聞の中に折り込んだりした店舗はあまり良い結果
にならないことが多い。
代行の料金は1人が1時間で3000円。前田社長は、事業の潜在需要は現在の5倍くらいはあると見ており、「利用者がまだ当社の使い方を知らない」と言う。